続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

第11回 東京都クラブユースU-17サッカー選手権決勝 FC東京U-18 0−1 東京ヴェルディユース 雑感

 小平で勝ち上がってきた2戦は見ることができず、この試合が世代替わってのU-18を初めて見る形になりました。相手はヴェルディユース。舞台はカップ決勝でした。


 結論から言えば「守備は満足、攻撃は不満」といったところでしょうか?攻撃から。やはりこのメンバーで始動して間もないせいか、ややぶつ切りサッカーだった感じ。ボールを持った選手に対して顔を出してやる、パスコースになってあげるといった動きが(ヴェルディと比較すると)不足していて、結局意図的ではないロングボールとか、とりあえず近場の選手にといった形のパスが増えた事で、ヴェルディ側のプレスにも引っかかっていたように思います。また、攻撃のゴーサイン(スイッチ)が「19前岡当て」か「13武藤の独力」しかなく、その2点は見え見えながらも効いてはいましたが、あと一歩を突き破るまでには至りませんでした。ただ、重ねてになりますが始動間もないわけで、例えば19江口がもっとうまく飛び出すとか、27岩木、39岩田が24前岡のポストプレーに対して上手く絡むといったところでどんどん熟成がはかられてくるはずなので、その成長に期待しつつ、足跡をともに辿れたらという感じでしょうか。
 守備。ヴェルディっ子らしいドリブルには手を焼きましたが(特に左SHの17番の子は良かった)、26松藤の前に出て奪う守備、それをカバーする4廣木のコンビネーションに齟齬はなかったですし、32山口、33村松の両SBも1対1(特に山口対17番、後半以降の村松対10番)で粘り強く対応してサイドに穴を開けることはなかったかなと。さらに、GKの30三浦の反射神経は驚きの一言。目立っただけでも3度はファインセーブがありましたし、ハイボールに対しての安定感も抜群。さらに正確なキックからチャンスを演出するなど、「(地味に)GK生産工場」として胸を張っていい東京U−18からまたいいGKが出てきたなぁと素直に思いましたわ。強いて言えば、28橋本がもう少しDFラインの前で気が利くようになれば、さらに守備の堅さが増すかなという印象は受けましたが、それもここからここから。
 

 個人ついても短く。この日印象に強く残ったのが30三浦、33村松、19江口、24前岡。その中でも一番だったのが24前岡。去年から試合に出る機会は得ていましたが、見た感じ現チームにおいてはすでに絶対不可欠な存在になっていて、さらにどんどん強くなるという確信めいたものを感じたので。
 というのも、現状ほぼ攻撃の初手をそのポストプレーやヘディングで担うことを任されていて、当然相手はエースCB、あるいはサンドして潰しに来ます。この試合も4番(キローラン君だとか)を背負う事が多く、さらに4番とボランチとのサンドを受ける事が多かったと思います。ただ、(当たり前といえば当たり前かもしれませんが)そこから逃げる事がありませんでした。もちろん受ける場所は右に左に、前に後ろにいろいろと動いていましたけど、そこに「逃げの意識」は微塵も感じられませんでした。現状でも、かなりやれていると言っていいと思います。単純に後ろ向きに落とす、ダイレクトでスクエアに出す、ワンタッチ目で相手を外し、そこからのターンやチェンジサイドで局面を打開するといった形で、多彩なアクションを持っているので。ただ、去年の「終盤に出て一仕事」から、今年は「不動のスタメン」に立場が変わりました。そこで変化した自分に対しての期待や責任をしっかりと受け止めて、そして相手の厳しい守備を受け続けるなかで、この試合のように逃げることなくやりきって、どのように当たり、背負い、いなすのか、そしてそこからどう叩く、ターンするのかといった「生きた技術」を磨いていってくれる、成長してくれる、そう信じれるだけのプレーを見せてくれたのかなという印象を受けました。


 結果は残念なのもでした。ヴェルディを応援していた数名から、思いもしないチャントも飛び出しました(トップの恨みをユースで晴らすな!…ってのは間違い?)。ただ、必ずリベンジのチャンスは巡ってきます。その時までこの悔しさを忘れずに、日々切磋琢磨していってほしいなぁと。