続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

「目に付く」ということの意義

 ただ今、ワタクシの自宅マンションで大規模改修を行っておりまして、作業用の足場を組む関係でCSアンテナを取り外さなければならなくなり、スカパーが見られない状態となっております。なもんで、Jリーグのクラブ別総集編(東京のみならず、全チーム分見たいのだ)やらクラブ別ゴールハイライト(これは東京だけでいいやw)も、リピート放送も、欧州サッカーも(NHK−BSでやるプレミアだけは見られる)、南米サッカーも、(1月末から始まる)高校サッカー選手権全試合放送も全く見られない状況で、もしかしたら、Jリーグの開幕から数節(工事完了が3月上旬〜中旬なので)もダメかもしれません。あぁ、哀しい。
 で、気づいたんですけど、いくらJがオフシーズンとは言え、NHK+民放だけだとこんなにもサッカーって人目に付かないものか、あるいは「見ようとしないと見えてこない」ものになってるのかという点に、ホント驚きました。昨日ツイッターである方とこの話題でほんの少しやり取りしたんですけど、その方は、「取り上げられるのはマイナスネタばかりで、ここ数年の手の引きっぷりを見ると地上はメディアから微妙に敬遠されつつあるような危惧を感じる」とおっしゃいました、確かに、スポーツニュースの第1プライオリティーは野球。例えば、ある同じことを野球とサッカーそれぞれの選手(チーム)がやったとしたら、取り上げられるのは間違いなく前者なわけで。これから迎えるキャンプ情報だって、野球は「では、今日のキャンプリポートをどうぞ!」ってほぼ全球団の小ネタ大ネタを流してもらえますが、サッカーでそんなことしてくれるテレビ局はほぼ皆無だし、試合結果を伝える時だって、サッカーが野球の前に伝えられる事なんて1年に何回あるか。それこそ、開幕戦とか優勝が決まった試合ぐらいなもんでしょう。要は、(今更な話ですけど)すごくざっくり言って、「野球ネタの方が受け(=売り上げ、数字)がいい」というお話で、6大スポーツ紙やテレビのキー局といった大手メディアがそちらを取り上げるのは、仕方ない部分ではあります。(シーズンイン後は)「ほぼ毎日試合をしている」野球と、「週に1回しか試合をしない」サッカーと、どちらに注力するかと問われれば…とも。
 でも、だからといって「仕方ない」では済ませたくないんですよね。代表戦になれば、あれだけ(手のひらを返したように)一面にドカーン、トップニュースでドカーンってやる人達が、その代表戦士の移籍動向やクラブでの頑張りに対してサラッとした応対しかしないってのは、やっぱり寂しいわけです。この(NHKはBS含めて頑張っていただいているけど)「民放への露出」については、今までにも議論とまでは言いませんが、いろんな方が話したり書いたりしているのを見聞きしてきました。その度に思うところはありましたけど、しかし、お金を払ってスカパーに加入し、世界各国のサッカーを「見ようとして見てきた」自分が、(やむを得ない事情とは言え)そのシチュエーションから離れてみて改めて「サッカーがまだ大衆化しきっていない」ことに気がついて、結構愕然とした次第なんです。「サッカーには専門番組があるじゃないか」とか、「サッカー雑誌は他のスポーツ誌に比べれば数も多く、バラエティに富んだラインナップになっているじゃないか」という見方はあります。好きな人に向けて専門的な記事を書く、売り方をする事も大事です。ただ、それだけではいつの日かパイは縮小してしまう恐れが、もっともっとライト層や無党派層に向けて、「ま、とりあえず一度見てみんしゃい、来てみんしゃい」というものがないと先細ってしまう不安が、やっぱりありますよ。


 とは言え、観客減少についてはひと頃の落ち込みは底をつき、再びスタジアムへ足を運ぶ人が戻ってきた(中には新規の方が増えた)ように思います。それは、ファン同士の草の根的な広がりでもあるし、各クラブの試行錯誤、創意工夫の賜物でもあるし、Jリーグ側のキャンペーンが実っている部分でもあるでしょう。それでも、その観客動員を維持する、あるいはさらに増やすためには、一般の方が多分に意識せずとも目に付く、あるいは耳にするような選手が出てきて、その選手が「観戦のきっかけ」となる必要があると思います(そういう意味では、ゴン中山のあの札幌デビューは最高。そりゃ、あれだけ口八丁手八丁(失礼!)してくれれば、マスコミも取り上げるでしょうよw)。まあ、各クラブともそういった選手がなかなか出ないから苦労している部分もあるわけですけど、幸いな事に、今の東京にはナオ、長友、そして平山というフォトジェニックが揃っています。特に、ここ最近の平山は雨後の筍並の勢いで、テレビの露出こそ少ないものの(次の代表合宿、試合ではバンバン取り上げられるでしょうけど)、スポーツ紙やネットでは引っ張りだこ。新聞によっては隔日ぐらいで平山ネタが記事にされ、それこそサイン変えただの、自主トレで階段上がっただの、普段は取り上げてもらえないレベルの行動まで記事にしてもらえる勢い。そして、その記事を目にした何%かの人は「コイツ、何者?」という風に思っていることでしょう。それでいいんです。その小さな興味が、いつの日かスタジアムに足を運んでくれるきっかけになり得るわけですから。というわけで、平山にはこれからも「意識せずに意識付け」をしていただきたいものです。ぶっちゃけ、ここがこのエントリの結論だったりする(笑)
 あとは、民放での試合放送復活、だなぁ。「もろもろで興味は持ったけど、(例えば遠隔地で)スタジアムに行けない。だけど、試合が見てみたい!」ってレベルの人に、いきなり月数千円もかかるスカパーのJリーグセットに入ってね!というのはさすがに無理があって、であるならば、特に労せずに見ることができる民放で試合が放送されることが、当たり前ですけどベストなわけで。まあ、野球でさえ放映権料や視聴率の問題で放送枠をバッサバッサ切られている中にあって、とっくの昔にコンテンツとして見限られた感のあるJリーグを再度取り上げてはくれまい、と思う面もありますが、2時間でスパッと収まるスポーツですから、その日の夜の番宣番組とかやってないで、ちょちょいとやってくれりゃあいいのに〜、と思う面もあり。極端に言えば、まず「民放ではTBSだけしかJを放送できない」という契約を改めて、全局が放送できる状態にした上で(ローカル放送(そのホームタウン地域のみ放送あり)は、スカパーがローカル局のアナウンサーや放送体制をお借りしていることもあって、以前より充実していると聞きますが)、ほぼ全試合の優先放映権を持っているスカパーから民放がややお安めの値段で放送権を再買取して放送する。あるいは、民放は枠だけ空けて、スカパーで流れている放送をそのまま電波に乗っける(こうすれば、民放で倉敷さん、西岡さん、八塚さん、下田さんなどなどの実況が聞ける!)とかやれないの?やればいいじゃん!と思いますが、さすがにそれは素人考えすぎて現実味がないのかな?まあ、そんな私の戯言はともかく、もっと民放でサッカーに触れられる機会を増やすことを、Jリーグ、スカパー、テレビ局を中心としたマスコミの3者で、もっともっと議論して欲しいなぁと願うばかりです。
まとまりのない文書でスイマセン。