続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

天皇杯3回戦 東京3−2草津 レビュー

 昨日はたったの2行で終わらせましたが、実は眠たくてどうしようもなかったので、あの程度でごまかした次第(笑) というわけで、もう少し感想を記しておきます。


 まあ、「勝てば100点満点」と見ていたので、内容についてはどうこう言いません。いくら「誰が出たって同じサッカーを目指す」と口では言ったって、7人も代われば(そのほとんどが主力→バックアッパーという形)サッカーの質が変わる、(言ってしまえば)落ちることは当然だし、見る方もそれをある程度想定しておかないとダメだと思うので。城福監督は

メンバーが代わっても、我々は自分たちの時間を作りながら最終ラインからしっかりとポゼッションをして、アタッキングサードまで運ぶということがどれだけできたのかを考えれば、反省することは多々あります。今のこのメンバーだからとか、今出ている選手の技術と言うことで片付けたくはないです。今のスキルでももっとやれたはずですし、僕はそこをあきらめたくはない。彼らにも成長して欲しいですし、彼らにもロジカルに詰めていきたいと思います。このメンバーで負けられない気持ちは見せられたと思いますが、それで全てOKとはしたくないということです。

 と高い理想を述べていて、もちろんやってる側はそれぐらいを目指してやってほしいとは思いますけど、現実を正しく理解して対処していかないといけないわけですから、昨日のシチュエーションを考えれば、私は内容について文句を言うことはできない(不満をぶつけることすら憚られる)という感じです。なので、今日は個に焦点を絞って書いてみようかなと思います。


 好印象だったのは、平山、米本、佐原、(ちょっと甘く見て)ユースケの4人。平山は、すっかり試合ごとのパフォーマンスの上下が少なくなってきたなと。(この試合でどうこう、ではなく)攻撃では「ポストで受けて、叩いて終わり」というシーンがかなり減って、その次のプレーまでしっかりと考えて動けるようになってきた感じ。そんなの当たり前やん、と言われれば返す言葉もないんですが(苦笑)、ホント昨シーズンまではそれができていなかったんですから、格段の進歩を見せてくれて、涙ちょちょぎれる思いです……言い過ぎました(笑)。その他では、クロスを呼び込む動作(相手の視界から消える動きや、「ここにくれ!」と要求しながらシュートエリアに入っていくなど)にも向上が見て取れますかね。そして守備では、献身的なプレッシングや、いける!と思った場面でしっかりと間合いを詰めきるチェックなど、非常にチームを助ける仕事ができているかと。この日コンビを組んだユースケと比較すると、一目瞭然ですわな(苦笑) そういった複数のタスクをこなしながらも、最後まで運動量が落ちなくなってきてますし、このタイトな日程の中、昨日一番身体が動いていたのは平山だったと言っても過言じゃないところ。もう、「不動のエース」と言っても差し支えないですね。
 米本は中盤の守備で貢献度大でした。あれだけ「取りにいって取れちゃう」守備をされたら、相手は嫌ですよ、そりゃ。その上で攻守両面においてセカンドもそれなりに拾えていましたし、精度を欠いたシーンはあったものの、梶山不在の中で攻撃のスイッチとなるパスを出す役割も担えていましたし、低調なパフォーマンスのまま終わってしまった浅利とのバトンタッチが、はからずも初コンビを組んだこの試合で完遂した…ってのは言いすぎですね、そうですね。
 佐原はビルドアップで貢献できない+裏へ飛び出される部分の不安は隠せませんでしたが、それはある程度織り込み済み。そこを度外視すれば、都倉、氏原とのエアバトルに勝利し(1つ前半に危ないシーンを作られたけど)、ブルーノがチャレンジした際のカバーも悪くなく、セットプレーで点を取ってくれたこの日のパフォーマンスは満足できるものだったかと。恐らく次の仙台戦もスタメンだと思いますけど、まずはサーレス、あるいは途中から出てくるであろう中原、あるいはセットプレー時のエリゼウの高さを潰してほしいと期待するだけです。
 ユースケは守備面での貢献が相変わらず低いのがどうにもこうにも…という点はありますけど、積極的に裏を狙うシーンが目立ち(オフサイド多すぎだけど(苦笑))、平山が競ったあとのこぼれに上手く反応してシュートまで持ち込んだシーンがあり、身体の幅を使って相手を背負いきってポイントになれていて、セットプレーのキッカーとしてまさかの(!)ナイスボールを蹴ったなど、攻撃については悪くなかった印象です。ただ、もっと割り切って「カボレ的」なプレースタイルになれば、赤嶺よりも使われる頻度が増えそうな気もするんですが、どうしてもユースケでいたいというか、自分を変えない頑固さが良いやら悪いやらで…。って思っていたところでのCHONOさんの「ユースケ左MF論」は興味深い意見。ユースケの持ち味を変えないというか、機嫌を損ねない(笑)形で今のサッカーに組み込むには、FWよりは可能性がない話ではないかなと。まあ、守備が今のまんまだとどっちにしたって厳しいと思うけどさ(苦笑) しかし、怪我で交代とはついてない…。


 逆に厳しい見方をせざるを得ないのが、塩田、草民、浅利、(厳しく見て)平松。塩田はあまりにも不甲斐ないパフォーマンス。とにかくハイボール、クロスに対しての「出るor出ない」の判断がズレまくりで、最後まで修正できず。失点シーンも出て行くべきシチュエーションではなかったですし(スローで見ると、都倉がトラップした時点でブルーノのバックがほぼ間に合っていた)、それ以外にも4、5回は判断ミスがあったかと。GKにとっては厄介すぎる強風というエクスキューズはあったにせよ、試合勘が…という部分があったにせよ、これでは次はないでしょう。ホント、GKって難しいポジションですよ。
 そして草民。草民自身も良くないし、チームとしても草民に何を期待しているのか、何をさせたいのかが全く見えないのがすごく残念。草民自身は完全に壁にぶち当たっている状態で間違いないでしょう。常に前を見る、取られても怯むことなく仕掛け続けるプレーマインドの部分は相当評価しているというか、期待しているわけですが、現状そこに技術が追いついていないわけです。であるならば、チームとしてある程度制約をかけるというか、「限定的」な状況に導いてあげてもいいと思うんです。例えば極端な話、「ボールを受けた瞬間前が開いている時以外は、ドリブルをするな」とか、「○タッチ以内でプレーし続けろ」とか。それは、奔放な草民のプレースタイル、プレーマインドとは逆行する指示かもしれません。でも、自由にやらせている(ように見える)現状がこの有様でなわけで、このまま無策でいると、本人に「自身で乗り越えろ!」と言い続けていると、自信とともに持ち味である奔放さ、プレーマインドまで失いかねない、というか、すでに抜け出せないところに片足突っ込んでいると言ってもいいぐらいに、私は心配してます。誰かが、適切に導いてあげないと…。
 浅利は簡単なパスミスが多すぎましたね。しかも、ビルドアップ時のショートパスをミスすることが多くて、ちょっとブレーキになってしまった印象すらあります。草津のプレスの狙いどころにされた感じもありましたし。仙台戦でも出番があるのなら、挽回を期待したいです。平松は本職ではない左SBでの起用で、攻撃面ではほぼ貢献度ゼロだったのは仕方ない(とはいえ、前半1度いい絡みがあって、そこに可能性は感じた)けど、守備がちょっと軽かったかなぁと。どうしても(根がCBだからかもしれませんけど)中へ絞っちゃうんですよねぇ。そういう意味では、草津の攻撃が小池&廣山の左サイド(東京から見て右サイド)に偏ってくれたのは不幸中の幸いだった感も。これなら、それこそMFの位置で使われるぐらい極端な方が逆にいいぐらいですわな。長友は次間に合うのか、何分できるのか…。気になるぜ。


 残りのメンバーは簡単に。ブルーノは前で取るDFがこの日も炸裂しまくり。ロングボールの精度がイマイチだったのが残念かな。椋原はこの日の草津の攻めが椋原のサイドに寄ったことで、守備に追われる時間が多かったのは仕方ないでしょう。草民のお守りもあっただろうし(苦笑) 羽生はバランサー、リンクマンとして苦心も十分に任務遂行してくれたかと。あえて好印象には挙げませんでしたが、大幅にメンバーが代わった中で「サンキュー!」と声をかけ続けたいプレーぶりでした。平山とのホットライン(清水戦@ナビスコ準決勝2ndレグも昨日も、美しすぎるクロスだった)完成も間近か?
 北斗は2点目となったFK1本だけでMOMもの。セットしている時にカメラが北斗目線(北斗なめ)の画を映していて、私は「巻くんじゃなくて、ゴール右隅にパンチするようなキック(北斗で言えば無回転)が蹴れれば入るよ」と相方につぶやいた記憶が残ってますが、まさにそのような球筋のキックが飛んで、思わず声が出ました。この日は発熱明けということで時間限定だったみたいですが、草民の出来などを勘案すると、次は先発かな?期待してます。梶山はできれば使いたくなかったけど、試合展開を考えるとやむなし。ただ、やはり梶山がいるといないとではボールの回りが違うなぁ。3点目の起因となったロングパスを生で見れた人が羨ましいぜ。赤嶺は可もなく不可もなく。以上(笑) 大竹は、城福監督の中ではどういう位置にいるんだろうか…。


 なんだかんだ書いてたら結局ダラダラと長くなりましたが(苦笑)、厳しいシチュエーションの中、J2相手とはいえ勝ちきってくれた選手に感謝。次はJ1昇格が決まって意気揚々な仙台。残念ながら生、録画含めて試合放送はないようで、当日はPCか携帯の速報で試合を追うしかないのかぁ。まあ、丸亀に行かれる方々に念を託して当日を迎えたいです。よろしくお願いします。
そして、国見高校のサッカー部員にも感謝。「大きなノッポの〜」とか「ガッツだぜ!」は国見時代の平山、北斗のチャントだったんだね。選手権、(青森県代表と当たらない限りは)応援するよ!