続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

09−10 その27 トッテナム−ストーク・シティ

 現在3位につけるトッテナムと、トップ10圏内にいるストーク。お互いに望外な、といったら言い過ぎかもしれませんが、なかなか良いスタートを切ったチーム同士の対戦でした。
トッテナム 0−1 ストーク・シティ
スコア:85分 G・ウィーラン(ストーク)


 立ち上がりからトッテナムがエンジン全開。ストークが結果として前半は「専守防衛」と言ってしまっていいほどDF−MFの2ラインがしっかりと下がってブロックを作ってきたことで、センターハーフを越えるあたりまでは悠々とボールを持つことが出来たことで、攻撃の形は存分に作れていました。その中で、フィニッシュはレノンの突破orとにかくクラウチポストプレー&頭で、という2つしかなかったのはいただけませんでしたが、この日はその2つ(2人)がスペシャル過ぎて、次々とストークゴールを脅かせていました。
 まずレノンですが、とにかく速いのなんの。対面のコリンズはどちらかといえば守備寄りのSBだと思うんですが、1対1の場面では「1歩目の速さ」でアドバンテージを握ることが出来ていて、縦に行くにせよ中へカットするにせよ、常にマーカーを振り切った形でプレーできていました。もちろんストークも馬鹿ではないので、コリンズがちょっとでも遅らせている間にSHエザリントンやボランチがカバーに入って奪うというシーンがなかったわけではないですが、とにかくマッチアップでは勝てていた印象ばかりが残っています。ただ、「抜いた後」のアイデアが、個人で見てもチームで見てもさほどなかったのが残念。可能性があったのが「縦に抜いてクロス→クラウチヘッド」ぐらいしかありませんでしたからね。そこはキーンが、クラニチャールが…ってのは後ほど少し。
 そしてクラウチ。今季はスーパーサブ的な役割を与えられることが多かったわけですが、デフォーが前節相手選手にストンピングをかましてしまって3試合出場停止となったことでスタメンでの出番が回ってきました。久々のスタメン、そしてカペッロ監督が見に来ていたこと(それを知ってたかどうかは分かりませんが)が発奮材料になったのか、この日は文字通り「クラウチ無双」状態。ストークのCB陣はプレミア全体で見ても、いや、全世界的に見ても高身長の選手ばかりをそろえたスカッド(190cm台がゴロゴロ!)で、いくらクラウチと言えども苦労するだろうなぁと思っていたんですが、とにかく空中戦はほぼ全勝。しかも、クロスが「クラウチさん何とかしてくれ!」といったふんわり山なりクロスばっかりだったなかで、それでも枠の中に3つヘディングを飛ばせていましたからね。それが実らなかったのはひとえにストークGKシモンセンのスーパーなセービングと、ビーティーのライン上でのカンフーキッククリアがあったからなんで、運が無かったとしか言いようがありません。もちろんエリア内だけではなく、下りて来てポスト役になるプレーにもひ弱さは全く無く、いいポイントになれていたかと。この日のクラウチルーニーを組ませたイングランド代表は、相当見てみたいです。
 しかし、攻め達磨になりながらも点が奪えず、28分に放ったクラニチャールのミドルシュートがポストに弾かれたところから、急にトッテナムの攻めが単調というか雑になりました。攻め疲れた部分はあったんでしょうけど、レノンの突破も決まらないシーンが増え、クラウチも目立たなくなった…というよりは、クラウチをめがけてのミドル、ロングパスの精度がガクンと落ちてしまい、それによりクラウチは仕事しようが無い状態に。かつ、キーンはまま見かける独りよがりなフリーランニングに終始し、クラウチとの距離感は合わないし、出し手にとっては出しづらい、むしろ邪魔になるポジショニングばかり。1度だけクラウチが下りて来てDFラインがずれたところで裏に抜け出すといういいシーンがありましたが、全体的に見ればキーンが何も出来なかったことが、ストークのゴールを割れなかった大きな要因だったかと。クラニチャールもモドリッチと比べれば物足りず。まずは運動量というか、広範囲に動いて常にボールサイドに顔を出せるモドリッチと比べたら、ちょっとプレーエリアが狭すぎるかなと。自分のエリアで、自分の間合いでボールを持てれば仕事をしますが、それだけではね。
 そんな減退する攻めに対し、ストークの守備は頑張ってました。前述したとおり2ブロックをしっかりと作り、とにかく最後点を取られないんだという意思を持って、中を分厚くして守れていたかと。その分攻撃はにっちもさっちも行かず、この日はデラップスローインもほとんど味方に会わなかったこともあって、前半はゴールの匂いが微塵も感じられなかったわけですが、戦い方としてはこれで間違いではなかったかと。てなわけで、前半は0−0で終了しました。


 後半。トッテナムがどう整理して攻撃を作ってきてくれるかと思いましたが、流れは前半の後半とあまり変わらず。相変わらずレノン、クラウチ以外からはチャンスを作ることが出来ず、キーンがいくらかマシになったくらい。そのキーンが裏に抜け出してシュートを放つシーンもありましたが、この日はシモンセンが大当たりの日で、ことごとくセービング。そうやって耐えているうちにストークは徐々に重心を上げ始め、攻撃に人数を割けるように。もちろん守備のバランスが第一なので、割けるようにと言っても多くて4人ぐらいではありましたが、トッテナムが点が欲しいばかりに後ろのバランスがやや崩れていたことを考えれば十分なレベルで、(疲れからの交代とはいえ)トゥンジャイも前線に入り、ストークにも色気が感じられるように。
 そして、ここでアクシデントが。76分に相手からの厳しいチャージを受けたレノンが怪我によりプレー続行不可能に。しかし、すでに3枚交代枠を使ってしまっていて、ここからトッテナムは10人でのプレーを強いられます。そして、85分。自陣でマイボールにしたストークが、この試合のここまでで言えば確実に前線に蹴り出していたシチュエーションのところをなんとこさ繋いでいき、サイドでフリーになっていたフラーへパスが出ます。これを受けたフラーはアスー=エコトとの1対1のまま30mほどタッチライン沿いをドリブルし、そこからうまくアスー=エコトを振り切って中へクロス。フラーがアスー=エコトを交わしたときになぜか一瞬トッテナムの全選手が足を止めてしまった(ファウルだと思った?)こともあって、パスが出た先のウィーランはどフリー。ウィーランは落ち着いて逆サイドネットへシュートを叩き込み、ストークが先制します。トッテナムは何とか同点に追いつこうと反撃を試みますが、ストークが耐え切って試合終了。ストークが今季アウェーで初勝利を飾る試合となりました。


 まあ、トッテナムからしてみればツイてない試合でもありました。前述したとおりレノンが交代枠を使い切った後で怪我をしてしまい10人になったりだとか、もっと遡ればこの日が復帰戦となったウッドゲイトが3分に相手選手と交錯して頭を強打し、途中交代してしまったりとか、相手GKのシモンセンが当たり日だったとか。ただ、レノンとクラウチだけでは勝てないのも事実で、モドリッチの不在を今後も嘆かざるを得ないような試合だけは見たくないかなと。キーンとクラニチャールは超ガンガレ!
 ストークは勝ち点3は拾いもんだと思いますが(笑)、ホーム・ブリタニアスタジアムでは全力で勝ち点3を奪いにいき、アウェーでは全力で勝ち点1を奪いにいくという姿勢がぶれませんね〜。「専守防衛」にはアレルギー反応を起こす方もいらっしゃるでしょうけど、逆に考えれば、自分の身の丈をしっかりと把握していて、目の前の試合はどう戦えばいいのかを解っているとも言えるわけで、ピューリス監督はホント素晴らしいと思います。今後も、残留目指して戦い続けて欲しい限りですわ。