続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

09−10 その22 ジェノア−インテル

 注目の上位対決、10/17のゲームでした。ジェノアホームだっただけに、白熱することを期待したんですが…。
ジェノア 0−5 インテル
スコア:  6分 E・カンビアッソインテル
      31分 M・バロテッリインテル
      45分 D・スタンコビッチインテル
      66分 P・ヴィエラインテル
      71分 マイコンインテル


 終わってみれば0−5という一方的なスコアとなり、試合内容もインテルの良いところというよりは、ジェノアのダメなところばかりが目立つものとなってしまいました。
 その要因を失点シーンから探ってみることにします。まず1点目ですが、

ハーフウェーラインを15mほど越えたあたりからのFKから、(確か)ルッシオとDFが競り合ったボールがフリーになっていたカンビアッソの下にこぼれ、バイシクル気味に撃ったシュートがDFの足先を掠めてコースが変わり、アメーリアが反応しきれずゴール。

 という形でした。ここでの問題は「マーキングのズレ」。カンビアッソの動き自体は教科書どおりのこぼれを狙う感じでしたが、それに対してジェノアの選手たちはほとんどがボールのみを追いかける動きをしてしまい、カンビアッソを誰も見切れていませんでした。試合全体で見れば、セットプレーの守備がそこまでダメだったとは思いませんが、こういう致命的なミスをすれば、インテルレベルの相手には高い代償を払わなければいけないということでしょう。続いて2点目は、

ジェノアのDFラインからのビルドアップに対して積極的にプレスを仕掛け、やや無理な体勢で受けたサパテルからサネッティがボール奪取。それを拾ったスナイデルが前を向いてドリブルをし、右からフリーでスペースに走りこんだバロテッリにスルーパス。これを受けたバロテッリが逆サイドへ強いシュートを放ち、ゴール。

 という形。まずはそもそもの話をしますが、この日インテルエトーミリート、モッタを怪我で欠いていたため、

――――――バロテッリ――――――
―――スタンコビッチ――スナイデル―――
ムンタリ―――――――――――サネッティ
――――――カンビアッソ――――――
キブ―――サムエル――ルッシオ―――マイコン
―――――― セーザル ――――――

 という形で試合に臨んできました。それで、攻撃時はともかく、守備時はスタンコビッチスナイデルの両トップ下がワイドに張り出し、ジェノアの3バック(ジェノアは3−4−3がベース)にマンマーク気味でプレスをしかけ、かなりのプレッシャーを与えられていました。ジェノアから見れば、ここを破れば、数字上中盤は4枚対3枚と数的優位に立てるところではあったんですが、本来ボランチのポジションでボール捌きを担当しているハルジャを怪我で欠き、どちらかというと守備寄りなサパテルとミラネットというコンビを組まざるを得なかったことでボールの落ち着きどころが定まらず、かつ3バックがプレスをいなせずに中盤を省略するようなボールが時間を追うごとに増えていって3ラインが間延びしてしまったことで、ジェノアらしいボールホルダーに対する連続したフォローアップや後ろから次々と追い越していく迫力を出せずに、ジェノアの攻撃はほぼ無力化(前線の選手の個人技頼み)した印象を受けました。3点目(アメーリアがゴールを空けた状態でパントキックをミスし、ミスキックが飛んできたスタンコビッチが芸術的なダイレクトボレーを決めた)は完全にアメーリアのミスでしたが、4点目(スナイデルに簡単に進入を許し、さらにボランチから上がってきたビエラも捕まえきれず、そのビエラに決められた)、5点目(メモし忘れた(苦笑))も悪い奪われ方から始まっていて、結果としては5点取りましたが、この日のインテルは「守り勝ち」だったと言っていいと思います。


 インテルですが、怪我の功名とはいえ、この日見せた4−3−2−1とも取れる新しいシステムは、今後結構使えそうなオプションになる可能性を感じさせました。唯一、左SHのような位置に入ったムンタリだけが所在無げにプレーしていましたけど、モッタが怪我から戻ってくればここで十分使えるでしょうし、スナイデルスタンコビッチを高い位置で両立させられるこの形は、相手からしたら嫌でしょうから。守備に関しても、ルビン・カザン戦で感じたDFラインの不揃いさや軽さは微塵も見られず、文字通りシャットアウトできていました。まあ、面子的に毎試合これぐらいのパフォーマンスを見せてほしいところではありますが、とりあえずCLでイタリア勢に頑張ってほしい私としては、ホッと一安心です。
 ジェノアは…忘れることでしょう。ただ、ELとの並立で疲れが見えている点は気になりますし、ハルジャを怪我で欠いた際のビルドアップに関しては、早急に手を打たなければいけないかと。とは言え、ハルジャのようなクリエイティビティさをを持っている中盤の選手はほかに見当たらず、かといって3−4−3以外のオプションも持たないだけに、ガスペッリーニ監督がどう手を打ってくるのか、注目したいですね。