続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

09−10 その18 バイエルン・ミュンヘン−ユベントス

 マッカビ・ハイファに快勝したバイエルンと、ボルドーと勝ち点1を分け合ったユベントス。「ホームだし、勝って差をつけたい」バイエルンと、「アウェーだし、勝ち点1を持って帰れれば…」というユベントス。やや対照的な立ち位置の両チームの対戦でした。
バイエルン・ミュンヘン 0−0 ユベントス
スコア:No GOAL


 戦前の予想通り「攻めるバイエルンvs守るユベントス」という構図になりました。そして、前半は非常にお互いにやるべきことができていた、スリリングな好ゲームだったと思います。
 バイエルンはすっかり「リベリ・ロッベンの両翼」がトレードマークのチームに生まれ変わり、この日もご多分に漏れない攻めとなりました。それに対してユーベは、SBとリベリ&ロッベンが1対1になることだけは絶対に避けたいという意図がうかがえ、カモラネージマルキジオの両SHは守備に比重を置いたプレーが目立ちました。そのおかげで、しっかりとサンドしてボールを奪うシーンや、ユーベの両CBが中をしっかり固めることで、クローゼの存在をあらかた無効化させることが出来てはいましたが、逆にリベリ、ロッベンが1対2の数的不利をもろともしないドリブルで危険ゾーンへ侵入するシーンもかなりの回数あって、特にリベリはキレキレという表現がピッタリ当てはまるほどの素晴らしいドリブルやアイデアを見せてくれました。何分だかメモしてないので忘れましたが、キエッリーニグリゲラを完全に手玉にとって抜き去り、ブッフォンの裏をかくループシュートを放ったシーン(惜しくも枠の上に外れた)なんかは、自然と声が出ちゃったくらい。
 そして、この日リベリやロッベンと同じくらい目立っていたのがミュラー。チームが4−3−3を採用し、センターハーフの1角として起用され始めてから結果を残していたのは文字情報でインプットしていましたが、それでもシーズン当初に実際試合を見た際のあまり良くない印象が頭にも残っていたので、どこまでやれるか半信半疑で見ていましたが、素直に「素晴らしかった」と言っていいパフォーマンスでした。まあ、バイエルンの攻め方とユーベの守り方の噛み合いの部分でだいぶ得をした感はありました。細かく書くと、ユーベは4バック+ダイヤモンド型の中盤4枚で、前述したとおりSB&SHはリベリ、ロッベンの対応でサイドに釘付けにされていて、CBはクローゼを見ながらサイドからのボールへの対応に気を多く割かれる形になったことで、何もしなくてもユーベ陣内の中央部は「フェリペ・メロvsミュラーシュバインシュタイガー」という数的有利の形が生まれていた。かつ、フェリペ・メロバイタルエリアに鍵をかけたい=CBに近いところでプレーしていたため、ミュラーが全くのフリーになってプレーできるシーンが結構あった、という感じ。そうなったからといって、何もできない選手はいる訳ですけど、この日のミュラーは脅威そのもの。やや引いたところからタイミングよくエリアに侵入してパスを受けたり、逆にクローゼとほぼ横並びになり「4−2−4」のような形を作って押し込む要因になったり、ショートカウンターの際にリベリ、ロッベンのスピードに食いついてチャンスを演出したりといった感じで、とにかく攻撃で目立っていました。結果的にシュバインシュタイガーがバランスを取る方の役割に徹しても全く違和感が無かったぐらいですから。最後の部分での判断やプレーの精度の(小さな)甘さが出てゴールにこそ絡めませんでしたが、これを続けていければ、今季が終わる頃には世界的に名が挙がっていても不思議ないかと。まだ20歳、覚えておいて損はない選手ですよ。
 しかし、この勢いを削いでしまったのがロッベンの怪我。コンタクトプレーがあったようには見えなかったのでロッベンが悪いとは言えませんが、結果として右膝を負傷してプレー続行不可能に。交代で入ったオリッチは自分のプレーは出せていましたが、それでもやはりロッベンほどの切れ味があるわけではなく、左サイドの攻撃は一気に停滞。そして、60分を過ぎたあたりからはチーム全体に攻め疲れが見え始め、リベリやミュラーも効果的な存在ではなくなっていきました。クローゼに代わって入ったマリオ・ゴメスも何しに出てきたんだか分からないぐらい何もできず、結局「『前半からエンジンふかして攻め続けるも、前半のうちにゴールを奪えない』という展開になると、得てして後半はこんな展開になる」という(悪い)お手本のような形になってしまいましたね。いつもは脅威になるはずのユーベのカウンターもこの日は不発に終わっていただけに、できれば勝ちきりたかった1戦だったというのが率直な感想ですかね。
 そのほか気になった点をいくつか。守備についてですが、思った以上にチームとして連動性のあるプレッシングができていました。大きな要因は前線の3枚がサボらず前から行ってくれることで、後ろがそれに連動できている点かと。相変わらずSBが上がっていって空いたスペースのリスクヘッジが下手くそというか、誰がどう埋めるのかハッキリしない点だけは気になりましたけどね。あとはアンカーが定まらない点。この日はオットルが務めましたが、ポジショニングがいまひとつ曖昧だった気が。ここが定まらないのはちょっと嫌な感じもするので、ファン・ハール監督がどうやりくりするかは注目です。


 ユーベ。完璧に守った、とは言えない内容でしたけど、それでもゼロで終わらせることができるんですから、こちらも凄いですよ。上でも書いたとおり、フォーメーションの噛み合いの部分で対応に苦慮するところがありましたけど、DFラインは最後まで集中力が切れなかったですし、中盤の選手の守備意識も非常に高かったですし(ジエゴが60mぐらい全力疾走で戻って守備したシーンがその象徴か)、前半はともかく後半はやられるな、という雰囲気はほとんど感じなかったですね。その分さすがに攻撃に手が回らず…と言っても、グロッソは機を見てたびたびオーバーラップできてましたし、カモラネージも守備から攻撃への切り替えが早く、運動量も豊富でしたし、ジエゴも厳しいプレッシャーをものともせずにチャンスを数度演出できていましたけど、個人的にはもっと極端に2トップに早めに当てて時間を作ってもらう形を作ってもよかったのかなぁと。なんと言うか、綺麗に崩したいという意図がそこかしこで見られたんですが、この日のバイエルンのプレッシングはいつになく効果的で、前に出たい瞬間に奪われてショートカウンター、というシーンを作られていましたからね。ただ、結果として勝ち点1を持って帰れることはプラスに評価していいでしょう。ただ、それも第3、4節のマッカビ・ハイファ戦で勝ち点を取りこぼさなければ、という前提つきですけど。