続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

J1をここまで勝手に振り返る 2日目

 昨日はボトム6(13〜18位)のチームについて勝手に振り返りましたが、今日はミドル6(7〜12位)のチームについて振り返ります。


7位 名古屋グランパス(5勝4分3敗 16得点14失点  妄言:5位)
 初のACL参戦となるシーズン、苦しみながらも及第点以上の成績を収めていると言っていいかと思います。特に4/17〜5/10の7連戦を5勝2分と無敗で乗り切ったのは素晴らしいかと。ストイコビッチ監督の采配も、昨シーズンは怪我人が出ようとサスペンションが出ようと4−4−2にかなりこだわっていましたが、今シーズンはまた、バヤリッツァマギヌン、玉田といった主力に怪我が相次いでいる中、状況に応じて4−1−4−1や3バックを採用するなど、柔軟さが出てきています。また、補強したダヴィや田中も額面通り働いてくれていて、怪我人が戻ってきてベストの布陣を組めれば、まだまだ上位を脅かせる力は十分あると見ていいでしょう。
 ただ、気になるのが「ダヴィ依存症」。これはシーズン前から言われていたことですが、得点の内容を見ると、ダヴィ一人で9点を取っている一方、その他7点は1点×7選手。玉田やマギヌンは怪我もあるのでやむを得ないにしても、昨シーズン2桁取った小川がまだ1点、スーパーサブとしていいところで点を取れていた杉本がまだノーゴールと、ちょっと偏りが過ぎる印象。動きを見ても、「一人でやれてしまう」ことの功罪が見て取れ、万が一ダヴィが欠けてしまったら…と考えるとゾッとします。


8位 清水エスパルス(4勝6分3敗 13得点14失点  妄言:10位)
 昨年ほど出遅れたとは思いません。妄言で書いた「器用貧乏」という言葉は実は間違ってた?とも感じます。ただ、「何か、パッとしねぇなぁ」というのがここまでの印象です。
私が思った以上に長谷川監督が軸を固定してきたな、とは思います。スタメン出場が2桁を数えるのが西部、青山、岩下、児玉、山本、枝村、岡崎、ヨンセンと8人いますから(他チームと比べると少ないかも知れないけど)。であるならば、もうすこし「形」が見えていい気はするんですよね。まあ、守備面については青山、岩下のCBコンビを中心とした4バックがなかなかに堅固で、チーム全体としてもDF−MFの2ラインがしっかり引いてバランスよく守れる印象があります。ただ、しっかり引いて守る関係で奪う位置がどうしても低くなり、そこからの展開がどうしても遅くなってしまう印象で、せっかくいい守備が攻撃につながっていない感じがします。徐々に山本がボランチの位置から捌き役として機能してきている風にも見えますが、なんにせよ「得点パターン」を増やさないときついだろうな、というのが率直なところです。


9位 ジュビロ磐田(5勝3分5敗 20得点23失点  妄言:18位)
 開幕戦で山形に2−6と惨敗、その後5試合で2分3敗と降格街道まっしぐら…かと思いましたが、第6節の前に加入したイ・グノが全てを好転させ、その8試合を5勝1分2敗という好成績で乗り切り、気がつけば1桁順位で中断期間を迎えました。
 とはいえ、イ・グノが来て何が変わったの?と言われると、そんなに変化は無いんですよね。強いて言えば、ジウシーニョを左MFに落として、前田、イ・グノジウシーニョ共存させることに成功した、ぐらい。でも、劇的にチームは生まれ変わりました。まあ、例えば欧州サッカーで見ても、下位で喘いでいたチームが冬の移籍マーケットで選手を獲得し、その選手が大活躍して一気に順位を上げるなんてことは往々にしてありますが、4月というタイミングで浪人中だったイ・グノに白羽の矢を立てたフロントは、ようやっと、久々にいい仕事したと思います。ただ、戻りますが「何かが劇的に変わった」わけではなく、まだまだシーズンは長いですから、イ・グノ効果がいつの日か切れてしまったときに踏ん張れるかどうかでしょうね。その鍵を握るのは、上田と山本康裕のダブルボランチかなと。


10位 京都サンガF.C.(5勝2分6敗 12得点14失点  妄言:12位)
 今季の「ベスト・オブ・内弁慶」。ホームではまあまあの成績を残すものの、アウェーではいまだ勝ち星が無いため連勝が出来ていません。まあ、残留という面だけを考えるならば今の成績はよく頑張っているとも言えるとは思いますが、昨シーズンしっかりと残留を果たし、お金を結構使って水本、イ・ジョンスディエゴ、豊田と各ポジションにしっかりと補強を図った割には…と言わざるを得ない部分もありますよね。
 得点が12と伸び悩んでいる要因はいくつああるんでしょうけど、一番大きいのは「DFラインがみんなCB」という点でしょうか。もっと言ってしまえば、純正SBがいないのに4バックをやっていることで、守備面では1対1の対応であるとか、セットプレー時の強さといったメリットがありながらも、攻撃面での両SBの貢献度がほとんど無く、攻撃はもっぱら4人(今で言えばパウリーニョディエゴ、渡邉、林)、上手くいって5人(+佐藤)での単発な攻撃に終始している印象。攻撃面でいえば柳沢の長期離脱と豊田がちょっとJ1の壁にぶつかっている点は誤算ですが、それを抜きにしてもちょっと攻撃免の工夫が足りず、何処まで個のサッカーで耐えられるかは、ある意味興味がありますね。


11位 ヴィッセル神戸(5勝2分6敗 17得点20失点  妄言:16位)
 大宮同様、ガラッと生まれ変わって出発した神戸。序盤は相当苦しんだ印象がありますが、ようやく一つ軸が出来かけているのかなと。カイオ・ジュニオール監督も予想以上に柔軟性のある采配が出来る監督でした。
 で、とにかく目立っているのが、松岡、田中、茂木の3人。松岡は、カイオ・ジュニオール監督がベタ惚れなようで、キム・ナミルアラン・バイーアの怪我はあったものの、すっかりスタメンとして定着。ダブルボランチの一角としても、3センターハーフの1枚(主にアンカー)としても遜色なくプレーでき、守備面でチームを助けている印象があります。田中はいろいろなポジションで使われていますが、どこでプレーをしても最後までハッスルできるところが好印象。茂木は今シーズンもDF登録ですが、FWとして再チャレンジして見事にカムバック。いまやチーム得点王です。そこにマルセウパク・カンジョが怪我から戻ってきて、さらに宮本、キム・ナミルボッティなどが戻ってきて層の厚さが増せば、中盤戦の台風の目に慣れそうな予感もあります。あとは、(京都ほどではないですが)アウェーで勝ち点を如何に拾えるかでしょうね。


12位 モンテディオ山形(4勝4分5敗 15得点13失点  妄言14位)
 序盤戦は台風の目として大躍進。開幕戦の6−2を皮切りに、最初5試合は3勝1分1敗で2位につけ、第7節には鹿島相手に先制を許しながら引き分けに持ち込む(鹿島が先制しながら勝ち点3を奪えなかったのは、ACLも含めてこの試合だけ)など、非常に素晴らしいJ1デビューを果たしました。
ただ、リーグ戦では第9節以降2分3敗と勝ち星に恵まれていません。山形としては「早い時間に先制して、11人でしっかりと守備をして、あわよくばカウンターorセットプレーで追加点を奪って逃げ切る」という形が勝ちパターンだと思いますが、第9節以降の5試合は2得点7失点で先制点を奪った試合がゼロと、その形に持ち込めていません。中断明けはいかにして先制点をもぎ取るかが鍵になるでしょうね。しかし、レオナルド、石井、佐藤、秋葉はいい選手だなぁ。