続々々・メガネのつぶやき

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Jリーグディビジョン1 第9節 東京3−2大宮 レビュー

 何はともあれ、勝ててよかった〜。もちろんもっと楽に勝てなきゃいけない試合だったんでしょうけど、大きな変化をつけ(というよりは、いつか見た姿に戻した)、石川のハットトリックが生まれた試合で引き分けに終わっていたら、ある意味負けるよりショックだったかもしれないんで。


 試合。まずは良かった点からですが、目についたのは「シンプルな攻撃」と「攻→守の切り替えの早さ」でしたかね。1点目は徳永のロングボールをカボレが競り勝ち、そのこぼれを石川と赤嶺のシンプルなコンビネーションで崩してのゴールでしたし、その他でも蹴れるところはシンプルに放り込む、両サイドのスピードを生かして手数をかけずに攻める姿が多く見られた印象です。これだけだとハラトーキョーそのものだったわけですが(笑)、2点目は一度前線までボールを運ぶものの攻めきれず、最終ラインまでボールが戻りながら、そこからもう一度ロングボールを使わずに崩しきってゴールを奪うという、城福監督が取り組んできたポゼッションサッカーが多少なりともスパイスとして織り交ぜられていた形が見れて、かなりホッとした自分がいました。3点目は…後ほど。
 もう1つの切り替えの早さですが、もちろん100%満足というほどではありませんでしたが、それでもG大阪戦と比べたら雲泥の差でしたし、今季ここまでの試合の中では最もいい切り替えからの守備が出来ていたように思います。特にG大阪戦のユースケを見てから昨日の赤嶺を見てしまうと、赤嶺が世界最高レベルの献身さを持っているとさえ思ってしまったぐらいで(笑)、カボレ、石川、羽生もしっかり前からのプレスをかけれていたかなぁと。前半はそこに加えて、守→攻の切り替えも早く出来ていましたし、この日スタメン起用された米本・ブルーノのパスカット、そこからのパス出しが非常に目立っていたことが大宮を圧倒できた要因だった気がします。まあ、大宮の守備が人の入れ替えも含めて非常に酷かったという見方が正しいかもしれませんけど(苦笑)
 個人では、触れざるを得ない石川。もう、「ナオはどないしてしもうたんや〜」と嬉しい悲鳴が上がりっぱなし。中・外の使い分け、相手の嫌がるスペースへの入り方、突破のスピード、シュートの精度、どれをとっても過去最高レベル。かと言って「俺が俺が」というエゴイスティックなプレーに走ることもなく周りもしっかりと使えていて、「分かっていても止められない」時間帯を作れている感じ。ホント、今怖いのは怪我だけですよ。あとは米本。奪った後のパス出しについてはまだまだ不満が残るレベルですが、今はそういう欠点を直すことよりも、寄せの早さ、タイミング、危ないところに入れる嗅覚といった長所を伸ばすことの方が大事かなぁと。パスについては、周り(主に梶山)が助けてやればいいかと。


 悪かった点は「セットプレーの守備」と「選手交代の遅さ」でしたかね。1失点目は内田のキックを褒めるべきでしょうけど(監督は壁の作り方やファウルをした位置に不満タラタラでしたが)、2失点目にもつながったサイドからのセットプレーに対する守備は、さすがにちょっと拙かったですね。特にブルーノがマトに全くつけていなかった点は残念。4回ぐらいは完全に振り切られていたと思いますけど、これがチームとしてセットできていなかったのか、それとも単にブルーノのミスなのか、どっちなのかは気になります。ブルーノはトータルで見れば佐原や茂庭よりは安定感があったと思うだけに、ここだけがほんとに残念でした。
 そして、選手交代。もう当ブログではお馴染みになりつつある采配(選手交代)への疑問ですが(苦笑)、この試合もやはり疑問が残ってしまいました。この日は「遅さ」。65分を過ぎたあたりから「GK、DFからのロングボールが増え、しかし前線の選手がボールを収められず、中盤が間延びし、相手ボールの時間が増えてしまった」形になったと思うんですが、遅くとも75分には「中盤でボールを呼び込める選手or前線で収められる選手」を入れて、グランドにいる選手に明確なメッセージとヘルプを伝えるべきだったと思います。試合後監督は、

3対2で終わったことに危機感を持たなければならない。技術のミスは仕方がないが、パーフェクトな試合を、プアな判断で失点し、そこから動揺した。

 と語りました。私もこの部分には100%賛同します。最終的にはプレーしている選手自身が判断すべき部分が大きいのも分かります。しかし、監督の目から見て選手ができてないと思ったのならば、もっと明確に自分のメッセージを伝えるべきですし、選手交代というものが監督にとっての武器というか、伝達手段の最大要素であるわけで、そこをうまく使えていない部分はやっぱり気になってしまいますね。


 まあ、でも、勝ってよかった。