続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

Jリーグディビジョン1第7節 大分0−1東京 レビュー

 勝ち点3を得た、いや、「拾った」だけの試合。それ以上でも、それ以下でもない、という感じです。こういう試合を「価値ある勝利」と思えるほど懐は深くないし、ジョークに出来る器量があれば、人生楽しいんでしょうけどねぇ…私には無理だ(苦笑) あと、西川は泣かないで欲しいです。あれだけのシュートを浴びてもPKの1失点で食い止めた、ミドルシュートを全て正面に飛ばさせたことは、素晴らしいの一言だったので。
 結局、試合がここまで難しくなったのは自身の攻撃の拙さでしかなかったわけですが、ここまで攻め達磨になった試合のなかで露呈した「攻撃のバリエーションの無さ」。シュートは枠を逸れ続け、西川の正面をつき続け、サイドからのクロスの精度も無く、中の選手の動きの工夫も無く、中央を突き破るドリブル、パスのチャレンジも無く、ただ過ぎていく時間表示を見つめながら萎えていく気持ち。勝ってくれることを祈り続けてはいましたが、「これ引き分けが妥当だよね」という言葉が口をついて出てしまうぐらい、ゴールの可能性を高められない攻撃陣に苛立ったのが正直な感想でしょうかね。もちろん、大分が早い時間帯に10人になってしまい、後半は完全にウェズレイ以外の8人でガッチリ下がって分厚い守備を作ってきたことで、東京側から見たアタッキングサードでのスペースが無かった点は事実としてあります。でも、それを差し引いてもあまりにも攻撃に工夫が無かったかと。
 なかでも、特に強く感じたのは「下りてくる動きの無さ」「えぐりきらないクロスばっかり」という点。例えば、サイドで徳永がボールを持ち相手と1対1になったシーンがこの日何度もありましたが、両チームの選手それぞれ4〜5人ぐらいがエリアの中でゴチャゴチャに存在してクロスを待つという形ばかりで、がら空きだったバイタルエリアに下りてくる動き、徳永のそばに顔を出してボールを受けてあげようとする動きがあまりにも少なかったですね。ボールホルダーからすれば、そうなるとどうにかして自力でクロスを上げるしか手立てがなくなるわけで、一手間加えてからクロスという難しい作業を常に求められる形が増えてしまい、精度の無いボールが多くなってしまった気がしました。また、中で待つ選手ももっと大分DF陣にギャップを生ませるような工夫をしないとダメ。ただ突っ立って待ってて良いボールが来るなら苦労はせん!と叩きたくなるぐらい、何もしないんだもん(苦笑)。時折羽生さんや石川がそういう動きをしていましたが、それも単発に終わってしまいましたしね。そして、それは何もクロスのときだけではなく、中央でボールを回しているときのユースケもただ「ここにくれよ!」という要求や裏へ抜けようとする動きだけ。もちろんそれが奏功する時だってあるとは思いますけど、下がった最終ラインを少しでも前に引き出してスペースを作ってあげることもしないとダメだなぁとも思うわけで、こちらから「可能性」を作らないでどうするのよ!という不満ばかりが募る結果になりました。
 じゃあ、クロスを上げる方は仕事をしたかというと、ここも不満はあり。中が揃っているから、浅い位置からでもとりあえず上げるというクロスばっかりで、それだとDFからすればマークすべき選手とボールを一つの視野に入れられるわけですよ。一見攻められていますが、実は守りやすいわけですよ。もっとサイドをえぐってクロスが入れば、単純にDFがマークすべき選手とボールとを同一視野に入れられなくなり、有利な形でクロスに競り合えるようにもなるでしょうし、DFにひっかかってもコーナーキックを得るチャンスも増えてくると思うんですよね。結局、クロスを上げる方にも受ける方にも工夫が無いんじゃあ、得点が生まれない(匂いすら出てこない)のも仕方ないかと。


 ただ、それ以上にこの日疑問に思ってしまったのが、城福監督に対して。羽生と梶山のポジショニングは逆なんじゃない?何故ナオをあの時間で下げてしまうの?代わりに大竹を入れた意図は何?前半だけで決定機を4度も決められなかったカボレを「今日は彼の日じゃない」と見限ることは出来なかったの?1枚目でナオを下げてるのに、3枚目で似たようなタイプの鈴木を入れる意味はあったの?この「クロス合戦」の中で平山を出さないって正気なの(私が平山だった、さすがに腐りそうになると思う。クロスに合わせる事が得意・不得意じゃなく、点を奪わなければいけない場面で投入されないこと=フィニッシャーとして認められていないんだな、っていう思いで。)?…ってな具合で、試合中は疑問ばっかりが頭をよぎっていました。そして、何より梶山のPKが決まった時のあの喜び方は、正直ない。試合中に相手に構ってなんかいられないとは思いますけど、はっきり言ってアレは「いただき物のPK」だったわけで、そこまでの流れも考えれば、あそこであれだけ無防備に喜びを表現してしまうのは、あまりにも相手に対しての敬意に欠けるんじゃないかと思いますし、勝ち点3が欲しかった試合でそれをモノにしたことは喜びに値するとは思いますけど…うーん、言葉にすると理屈っぽくなりすぎて表すのが難しいんですけど、とにかく瞬間的な思いとして、「ないわ〜」と思ってしまったのは確かなんです。
 目指しているサッカーの志の高さは、追いかけるに値する素晴らしいものだとは思います。けど、そろそろ今いる陣容で「出来ること」と「出来ないこと」を振り分ける作業を始めてもいいのかなぁと。その上で、今一番何をしなければいけないのかを順序だてて整理し、一つずつ埋めていくことをしないといけないのかなぁと。結果よければ全てよし、というつもりはありません。けれど、いつまでも「次だよ、次!」って言い続けるのが、ちょっと辛くなって来てます、私は。


 ここからは余談。この日は府中の酒喰BAR町にて、私と相方とid:CHONOさんの3人で観戦してました。試合中もああでもない、こうでもないと言いながら見れてよかったですし、試合前の「城福監督と風間八宏監督(筑波大)のベクトルは似てる」「徳永FW論者」「染谷(京都)がデニーズで…」話はかなり面白かったです。またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
 あと、スカパーのJリーグアフターゲームショーにナオが出ていて、そこでのMC・野々村さんとのやり取りが面白かった〜。キャプって下さった方がいたので、それを紹介して終了します。


明日は明日の風が吹く:苦笑する石川(汗)