続々々・メガネのつぶやき

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スポーツナビ|欧州サッカー|チャンピオンズリーグ UEFAカップ|マンチェスターU、ジンクスを破り連覇なるか

 こうやってCLのプレビュー記事が出る時期となりましたね。それに乗っかって、私もグループリーグ(以下GL)の簡単なプレビューをしてみようかと。各グループの予想として、グループ突破の可能性が高い順に「◎>○>▲>△>…」と評価し、その後でグループ全体の印象を書いていきます。

グループA
 ◎ チェルシーイングランド
 ○ ローマ(イタリア)
 △ ボルドー(フランス)
 … CFRクルージュルーマニア

 2強2弱、とはっきり言えるところまではいかないと思いますが、チェルシー、ローマの2チームが順当に勝ち抜ける可能性が非常に高いと言えるグループでしょう。チェルシードログバがもう少しダメで、加えてエッシェンが代表戦で重傷を負い長期離脱となるアクシデントはありましたが、それがGLで脱落してしまうほどのダメージにはならないでしょう。焦点は結果より内容。スコラーリ監督がどれだけアブラモビッチオーナーのお眼鏡に叶いつつ、実効性のある戦いを見せられるかで。ローマもトッティ、タッデイのコンディションやバチスタ、メネーズといった新戦力のフィット具合が気にはなるところですが、成長著しいデ・ロッシ、アクイラーニブチニッチらで形成され円熟期に入った「ゼロトップ」を擁して、グループリーグで痛手を被ることはないと見ます。ボルドーは、例えばローマがチェルシーにダブルを食らうとか、逆に自身がローマにダブルを食らわせるということになればGL突破の目も見えてきますが、チェルシー、ローマの攻撃に耐えられるだけの守備力に欠ける印象で、かなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。攻撃陣はグフラン、グルキュフベリオンカベナギと面白いメンバーが揃ってるんですけどね。クルージュは勝ち点1でも挙げれば御の字、1勝を挙げられれば拍手喝采でしょう。

グループB
 ◎ インテル(イタリア)
 ▲ ブレーメン(ドイツ)
 ▲ パナシナイコスギリシャ
 … アノルソシス・ファマグスタ(キプロス

 インテルのGL通過は磐石でしょう。初戦のパナシナイコス@アウェーは厳しい戦いになるかとは思いますが、ここで負けさえしなければあとは何てことないかと。むしろ注目は2位争い。甲乙付け難し、ということでともに▲にしましたが、どちらか選べと言われれば…やっぱりブレーメンかなぁと。ブレーメンボロウスキを放出した穴埋め+メルテザッカーが怪我から戻れていない点が不安として挙げられますが、ボウロスキの穴はフリングス、あるいは台頭著しいエツィルで何とか埋まるはずで、メルテザッカーも第2節には戻って来れそうとのこと。ここ数シーズンは怪我人の多さに泣かされてきましたが、主力が健在なら一歩リードと言っていいでしょう。パナシナイコスは前線はカラグニス、イヴァンシッツ、ソウザ、パパドプロス、サルピギディスといったなかなかの面々が揃っているだけに、守備陣が耐えられるかが全て。あとは、熱狂的なサポーターが陣取るホームで勝ち点7、あるいはそれ以上を奪えるかどうか。その意味でも、インテルをホームに迎える初戦はものすごく重要になってくるでしょうね。アノルソシスは…クルージュと同じ見方でいいかと。デラスとかサビオは楽しみですけどね。

グループC
 ◎ バルセロナ(スペイン)
 ▲ スポルディングリスボンポルトガル
 △ シャフタール・ドネツクウクライナ
 … FCバーゼル(スイス)

 こちらもバルセロナの1強グループ。まだ、難しいことをせずに普通にサッカーをすれば、難なく勝ちあがれるでしょう。あえて問題を挙げるとすれば、グァルディオラ体制になってからまだ日が浅く、完全にフィットするはずもない序盤にファンが「圧倒的なバルサ」を求すぎてしまう懸念がある、という点ぐらいでしょうか?GLはあくまで足慣らしの場、とみんなが割り切ってやれれば問題ないと思います。2位争いはスポルティングが1歩リードと見てます。EUROで活躍したヴェローゾモウティーニョを引き止めたばかりでなく、カネイラ、ロッチェンバック、ポスティガと各ポジションに即戦力となる選手を獲得し、まずまずの陣容が出来上がったんではないかと。シャフタールとのアウェー戦もまだそんなに寒くない10月になりましたし、守備が崩壊しなければ2位通過の可能性は高いんじゃないかと。シャフタールは昨シーズンから大きな上積みがなく、日程も「ホームの地の利(=寒さ)」を活かせないものとなってしまったことがマイナス要因。嵌れば破壊力があるチームですが、今年も嵌らない気がして△どまりです。バーゼルは参加するだけとは言いませんが、スポルディングシャフタールを押しのけて2位に入るイメージは、さすがに沸きません。中田浩二はもったいないことしたと思うなぁ。

グループD
 ○ リバプール(イタリア)
 ▲ アトレティコ・マドリー(スペイン)
 ▲ マルセイユ(フランス)
 △ PSV(オランダ)

 今年の「死のグループ」はここ。リバプールが半歩前に出ているとは思いますが、他の3チームも全く絶望的なわけではなく、最後まで混戦が予想されます。リバプールはいろんなコメントやソースを見る限り、チームのプライオリティーが結構な割合でプレミアリーグに傾いていて、CLで手を抜くことは絶対にありえないとしても、どこまでベニテス監督がターンオーバーを用いてくるかがわからない現状の中で、絶対的な本命に推すのはさすがに気が引けます。アトレティコ・マドリーは陣容的には他の3チームと全く見劣らず、多くの選手の「CLに対する経験値不足」が露呈する形にならなければ相当面白いと思いますが、9/28〜10/26までのスケジュールが苛められてるかのようで(対戦順にセビージャ、マルセイユバルセロナレアル・マドリーリバプールビジャレアルという恐ろしいスケジュール)、ここで経験値不足が出てしまうとかなり苦しいところ。耐えられるか大注目です。マルセイユはナスリとシセを放出しましたが、それ以外の主力(マンダンダ、タイウォ、ジアニ、バルビュエナ(怪我中)、ニアング)はしっかりと残留させ、ベン・アルファバカリ・コネを獲得して昨シーズンのレベルは確保できた様子。しかも、今年は出だしから絶好調(CL予選含めて公式戦5勝1分負けなし)で、その勢いのまま第1節でリバプールをホームで下せれば、一気にこのグループの主役に躍り出ても不思議ないかと。PSVはさすがに「高値放出、安値獲得」を続けたことでパワーダウンが否めないところですが、ピータース、マルセリス、アフェライ、ヴァイテンス、アムラバト、ナイラントといった若手の成長に期待したいところ。こちらも初戦ホームで敗れるようなことがあればかなり苦しいため、初戦は要注目ですね。

グループE
 ◎ マンチェスター・ユナイテッドイングランド
 ○ ビジャレアル(スペイン)
 △ セルティックスコットランド
 … オールボー(ノルウェー

 グループAと同じように(ほぼ)2強2弱といっていいかと思いますね。それもこれも、今季のセルティックに良い面が感じられないのが全て。オールドファームダービーを(全部でないけど)見る限りは、ハートリー、ブラウンのダブルボランチが攻守両面で全く効いてない上にディフェンスラインも不安定さが多分に見られ、4失点も仕方ないといった内容でしたからね。さすがにその状態では「ホームで勝ち点9取れる」とは言えず、そうなるとアウェーでの決定的な弱さを考慮すれば、UEFAカップに回れれば良しとしなければいけない気がします。マンチェスター・Uはロナウド不在もなんのその。むしろベルバトフ加入というポジティブなニュースがそれをかき消しているぐらいチーム状態は良く、全勝だってありえると見てます。ビジャレアルは頼れる2トップがともに怪我(ロッシは9月一杯、ニハトは10月下旬まで厳しいとの見方も)で戦列を離れている点が気になりますが、彼らの復帰まで大きく星を落とすことが無ければ大丈夫でしょう。オールボーは勝ち点獲得を目指して頑張れ。

グループF
 ▲ バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
 ▲ リヨン(フランス)
 ▲ フィオレンティーナ(イタリア)
 △ ステアウア・ブカレストルーマニア

 グループDよりは小粒ですがこちらも激戦区で、予想という点ではグループD以上に読むのが難しいです。バイエルンは1年の空白を経てのCL復帰で、その間に(主に昨シーズンですが)大きく戦力地を積み増しました。劣勢に回ったときの守備力に若干の不安があるものの、それを補って余りある攻撃力は確かな魅力ですね。攻撃陣の強さでは引けを取らないのがリヨン。ベンゼマはリーグ戦4試合で4ゴールと早くもエンジン全開で、お馴染みのジュニーニョ、ゴブに加えてピキオンヌ、マクン、エデルソンと好素材が加入した中盤・前線は見所の多い陣容といえるでしょう。ただ、クペが移籍し、中盤が本職のトゥラランシェルストレームを場合によっては最終ラインで使わざるを得ない守備陣はバイエルン以上に不安だらけ。その点がどう出るかですね。フィオレンティーナは先の2チームほど爆発力は無いものの攻守両面のバランスがよく、その上で今季はバルガス、フェリペ・メロ、アルミロン、ヨベティッチ、ジラルディーノと積極補強を敢行し、戦力地の積み増しに成功しました。チーム全体が2足のわらじに戸惑うことが無ければ、CLの常連を食ってGLを突破することになってもなんら不思議ないと見ます。ステアウア・ブカレストは上記3チームに比べるとさすがに1枚見劣りますが、ゴイアン、ラドゥ、ペトレのEUROで活躍した代表勢を中心に一泡吹かせるだけのものは持ってるかと。面白いグループですよ、ここは。

グループG
 ◎ アーセナルイングランド
 ○ FCポルトポルトガル
 ▲ フェネルバフチェ(トルコ)
 △ ディナモ・キエフウクライナ

 多分、このグループの最終結果は、上から1、2、3、4位になると思います。アーセナルフラミニ、フレブ、ジウベウト・シウバ、センデロスと相次いで主力を失う形にはなりましたし、それによる層の薄さやセスクへの依存度の高さなど小さい不安はありますが、それでもこのメンバーの中では1枚も2枚も戦力値は上でしょう。2番手はポルト。こちらもクアレスマを失いはしましたが、それ以外の主力は何とか残留させるに成功し大きなダメージはありませんでした。クアレスマの代役が早々に定まれば、全く問題なく2位になると見てます。フェネルバフチェアラゴネス新監督を招聘し、グイサやエムレといったところを補強し戦力の積み増しに成功した、さらにEUROで躍進したトルコ勢を多く抱えるとなれば2番手に挙げてもおかしくないですが、はっきり言ってEUROのトルコ、そして昨シーズンのフェネルバフチェは出来すぎで、そのレベルで対等に戦える程度ならば、冷静に考えればやはり1枚落ちると私は思います。アラゴネス監督の色が早いうちにチームに浸透すれば話は別ですけど、アラゴネス監督は時間をかけて作っていくタイプですからねぇ。ディナモ・キエフは昨シーズンのような失態(6戦全敗)はないかもしれませんが、大きな戦力の積み増しには至らなかった現状を考えると、GL通過は厳しいと言わざるを得ないでしょうね。

グループH
 ○ ユベントス(イタリア)
 ○ レアル・マドリー(スペイン)
 ▲ ゼニト(ロシア)
 … BATEボリソフ(ベラルーシ

 3強1弱のグループ。とりあえずは、BATEから勝ち点を失ったチームが3歩ぐらい交代してしまうグループになると見ていいでしょう、BATEには申し訳ないですが。残り3チームを見れば、ゼニトが1枚落ちると見るのが自然だとは思いますが、3月開幕でコンディション万全であり、かつ今季のリーグ戦ではやや低迷気味でCLに力を注ぐと考えれば全くないとはいえないでしょう。そのゼニトを迎え撃つ形の強豪2チームですが、現時点で言えばレアル・マドリーに不安が見られる状態。バランスを取れるスナイデルを重傷で欠く上に、なんだかんだ言って違いを生み出せていたロビーニョを放出。そして、C・ロナウド獲得に執心したあまりに前線の補強が全くなく、ファン・ニステルローイに不測の事態があった場合は一気にピンチになるんじゃないかと。かたやユベントスメルベリポウルセン、アマウリといかにもユベントスらしい堅実な選手を獲得し、派手さはないけど気がつけば勝っている(負けない)チームに戻りつつあると見てます。久々のCLでモチベーションも高いでしょうしね。