続々々・メガネのつぶやき

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五輪代表から漏れてしまった平山相太のトップ下起用について思う

 先日当ブログで今野について自問しまして、本当は自答してから次の自問を書こうと思ったんですが、今野に対する自問を書いた直後の2戦がともにCBという城福さんのいじめにあっている状況のため、続けて自問してみようかと思います。今日の自問は平山のトップ下起用について。
この形がお目見えしたのが5/25ナビスコ第4節のベルディ戦。そこから9戦連続(FCソウル戦は除く)でこの形をとっていますが、時間を経るごとに熟成してくるのかと思いきやここに来て停滞感全開、特に得点力不足に陥っているという印象を受けています。その理由を自分なりに考えてみて思いつくのが「得点への意識」と「フィジカル」の2点。あまりに当たり前すぎるポイントですが、当たり前が出来ていないが故に停滞感を招いていると考えることが出来るんじゃないかと思うんです。
 もう少し詳しく考えてみます。まず1点目の「得点への意識」ですが、本題に入る前にちょっと話を横道にそらします。よくFWの選手を1.5列目で使った場合は「セカントドップ」という言葉を使いますが、そのセカンドトップとして世界的に名を馳せている選手を上げると、

・(ユベントスにおける)アレッサンドロ・デル・ピエロ
・(レアル・マドリーにおける)ラウール・ゴンサレス
・(EUROのスペイン代表における)ダビド・ビジャ
・(マンチェスター・Uにおける)ウェイン・ルーニーカルロス・テベス
・(ビジャレアルにおける)ニハト・カフベチ
・(アトレティコ・マドリーにおける)セルヒオ・アグエロ

あたりが挙げられるかと思います(それぞれにプレースタイルが違うので一概に「セカンドトップ」という言葉で一括りにするのは強引な気もしますが)。
 で、本題に戻りますが、プレーのレベルは完全に捨てていただいた上で平山と上に挙げた選手との決定的な違いが得点への意識だと思うんですよ。もちろん、セカンドトップとして起用されている以上、中盤に降りてボール回しに参加することは絶対に必要ですし、うまく相手守備陣が空けている狭いスペースに入っていってボールを受けることが重要なタスクになります。その点について平山は、不満こそあれど(その不満が2点目なんですが)、今できることをやろうとはしているんじゃないかと思います。ただ、その意識が強すぎるのかボールを受ける位置が低くなりすぎてカボレとの距離が開いてしまうシーンが少なくないですし、器用さに欠けるためなのかどういてもプレーが小さくなりがちですし、なにより気になるのが「1.5列目以下の場所でボールを受けてワンプレー終えた後、そこで止まってしまう」という点。上に挙げた選手達のプレースタイルをご存知の方は思い出してみてほしいんですが、彼らの持ち味の一つに「MFとDFの2ラインの間に上手くポジションを取ってマークを引き剥がした上でボールを受けてドリブルで入っていったり、裏へ飛び出してスルーパスを受けてゴールに迫る」というプレーが挙げられるかと思います。この点を考慮すれば、1.5列目にベースポジションを取る一番の目的は「点を奪うための一手間、一工夫」なのであって、「中盤に厚みを持たせること」だけが目的ではなく、少なくとも「良いポジションを取ってボールを受けて叩くだけ」で満足してしまってはいけないと思うんですよ。でも、今の平山はワンプレー終えた次の動き出しがあまりに鈍く、せっかく良いポストプレーをして中盤、サイドで味方がフリーでボールを受けても、次のターゲットがカボレしかいないというシーンばかりが目立つんですよね(実はこの「動き出しの遅さ」も致命的な欠点だとは思いますけど)。これでは結果的に攻撃のスピードが減退してしまい、相手に戻られて攻めきれないという形になってしまいますよね。やっぱり1.5列目に下がっているとはいえ、平山含めてセカンドトップの選手はあくまでFWなわけで、得点に絡む動きの部分で真価を発揮できなければ、その他の動きの部分でいくら素晴らしいパフォーマンスを披露しても、相対的な印象として「何もできなかった」ってことになるわけです。でも、今の平山がセカンドトップとして見せているプレーを見る限りは、とにかく前を向いて勝負するシーンが少なすぎますし、せっかくそういうシーンを迎えても、何とかしてシュートまで持ち込む!という気概が感じられません。いろんな要素はあるでしょうが、結果としてまだリーグ戦は得点がゼロ。この点を平山がどう考えているのか、もしこのままでいいなどと思っているようなら、そこで平山の成長は止まってしまうんじゃないかと危惧するところです。
 続いて2つ目の「フィジカル」。これはもう今の平山を見ている人なら100人が100人そう思うと思いますが、とにかく当たりの弱いこと弱いこと。くさびに入ってボールを受けるシーンで後ろからちょっと押されればバランスを崩してボールを失い、勝負どころのドリブルで相手に当たられるとすぐに倒レ手ボールを失い(しかもその後審判の顔をすぐに見てアピールするシーンに繋がったりしたら最悪)、空中戦でも競り勝てずにマイボールに出来ないと、ひ弱さがボールロストに繋がるシーンばかり目立っています。だいぶ前にも書いたような記憶がありますが、複数の選手が絡んでのパス回しが成立するためには、そのプレーに絡む全ての選手の意図が噛み合い、パスの出し手と受けて以外の第3、第4の選手が1手先を読んだ動き出しをしなければいけません。しかしながら、毎回全員の意図が噛み合うというのは難しいですし、必ずしも長い距離を走る必要はないんですが、途中でカットされることでその動きが無駄になることはあります。2、3度続けて噛み合わないという事になれば、「次にまた動き出しても来ないだろう」という気持ちが生まれ、それが大きくなると、流れは澱んでしまいかねません。なおかつ、今の東京が目指すサッカーにおいて、横パスで数本繋いでいる流れの中でいかに良いタイミングで縦パス、くさびのパスが繋がるかが大事なポイントになっていると言っていいかと思います。そう考えれば、中盤とトップをつなぐ位置にいる平山がボールをしっかり受けて叩けるかは非常に大事になるわけですが、上で書いたとおりすぐに倒れてしまう現状で、それが出来ているとはとても言いがたい部分があります。となれば、おのずと攻めにブレーキがかかってしまうのはしょうがないところ。ただ、フィジカルについては一朝一夕で強くなるものではないので、今取り組むべきは「どう工夫して相手の当たりを受け流せるのか」「どのように体を使えば自分の間合いでボールをキープできるのか」の2点になるんじゃないかと考えます。
 ここまでの書きようを見れば、結論はおのずと出てきますよね。そう、あくまで現時点では「一度やめた方がいい」と私は考えます。さらに言えば、このままセカンドトップとして起用し続けて、いろんなタスクを任せ続けてしまうと、結果として「何もかもが中途半端」なプレーヤーになってしまいかねないんじゃないかとさえ思っています。ここは今一度センターフォワードとして起用し、シンプルに点を奪う仕事を任せてみるのも手なのかなぁと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?自問なので、このまま答えを出さないまま、とりあえず終わります(苦笑)