続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

EURO08 準々決勝 クロアチア−トルコ

 互いに違った側面でサプライズを提供した両チーム。クロアチアの堅実かつ勤勉な精神が勝るのか、トルコの諦めない、折れない精神が勝るのか。
クロアチア 1(PK1−3)1 トルコ
スコア:119分 I・クラスニッチクロアチア
     121分 セミー(トルコ)


 戦術面や展開云々を冷静に振り返るのが野暮に感じてしまうぐらい、壮絶な試合でした。しかし、何が選手達をここまで動かすんでしょうか。私には全く分かりません。想像の域をはるかに超えた運動量と精神力に、ただただ感嘆するばかりです。
 クロアチア。あのクラスニッチのゴールで、誰もが勝ちを確信したはず。その後の数分で浮かれていたとは絶対に思わないですが、あれで勝ちを得られないのは、信じられないとしか言いようがありません。そして「PK戦はその試合一番活躍した選手が悲劇の主役にもなってしまう」ということがまま言われますが、まさかモドリッチもそうなってしまうとは…。ただでさえトルコが勝ったような気分でPKに突入した中で1人目が外す形になってしまっては、クロアチアはもうどうしようもなかったですね。この敗戦は誰のせいでもありません。チームが一丸となって戦った結果、チームが敗れてしまった、そういうことです。ビリッチ監督以下のコーチングスタッフをはじめ、チョルルカモドリッチ、クラニチャール、ラキティッチなど勢いのある若手がたくさんいるのが今のクロアチア。この悔しさをバネに各自がクラブで成長して、また2010年に素晴らしいチームを見せてくれると信じています。ちなみに、スルナの子供のような涙顔、そして、恐らくこの敗戦を持って代表引退となるN・コバチが弟のR・コバチと抱き合っていた姿を見て、私は涙腺崩壊しました(苦笑)
 トルコ。各選手とも満身創痍で、この試合もセルベトやメフメト・アウレリオを欠き、4試合いずれも違うスタメンを組まざるを得ない状況の中、これで3試合連続ロスタイムに劇的なゴールゲットですよ。もう訳が分かりません。「ミラクル」という言葉がこれほどピッタリはまるチームは、なかなかお目にかかれないかと思いますね。準決勝にむけても、エムレ・アシク、アルダ、トゥンジャイが累積警告でサスペンション、ニハトが嫌な退き方で不安を残すわけですが、ここまで来たらそんなの関係ねぇという勢いでしょうね。ここまで来たら、ドイツ相手にもミラクルを起こしてくれないかという期待を持って見ていきたいと思います。
 しかし、本当に素晴らしい試合を見ました。全然関係ない極東の島国の一国民が見てもそうなんですから、トルコ国民は半狂乱でしょうし、クロアチア国民は失意のどん底にあるんでしょうね。一部メガクラブの実力が代表をも上回るなんていう言い方をする人もいますし、実際CLなどを見ていると頷ける一面はありますが、「国を背負う」という強烈なプレッシャーと最高の名誉を感じながらプレーする選手の姿は、全然違いますね。わが国の代表戦でも、こういう気持ちを味わいたいものなんですが…。

(6/21)