続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

調子に乗って

 いよいよダービーデー。調子に乗って張り切って、全18頭の私的短評を載せてみようかと思います。どうぞ、「こいつ何言ってんだか」ぐらいの緩い目で見ていただければ。印などは次のエントリで挙げます。
ディープスカイ
 未勝利を勝ち上がるまでに6戦を要しましたが、そこからは常に安定した走りを見せ、目下重賞を連勝中。また、どうあがいても内に切れていった毎日杯と真っ直ぐ走ったNHKマイルCの走りを見れば明らかにサウスポー。父アグネスタキオン×母父チーフズクラウンは自信を持ってこの距離OK!といえる字面ではないですが、ボールドルーラー系を3本持ち、リボーの血も持つため初の2400mにあからさまに戸惑うという心配はなさそう。ただ、最内枠はダービーでは鬼門で、当然前走のように上手く内が開いてくれる保障もなし。四位Jがゴチャつくのを嫌って外に持ち出すようだと、差し届かずという懸念が大きく首をもたげます。取捨が難しい1頭。


サクセスブロッケン
 これだけ混戦だと「未知の魅力」に賭けてみたいという気持ちが膨らむのはしょうがないでしょう。見る限り折り合いに難のある馬ではないですし、父シンボリクリスエス×母父サンデーサイレンスという字面は芝に替わってこそと見えなくもありません。距離的にも、例えばダート2400mを走れといわれれば高レベルで走ってしまうはずなので、こなせるとは思います。ただ、よく見ると母系はクロフネと似たような配合で、かつシンボリクリスエスはここまで率的に見れば「ダート>芝」という成績で、血統表にはシアトルスルーの文字もあります。また、これまた芝向きと思われているジャングルポケットをつけた一つ上の兄(サクセスサーマル)も完全なダート馬に出ており、そもそも母サクセスビューティ自身がダート的な流れになりやすい1400mばかりで好走が目立つ点を鑑みても、この馬は「ものすごく強いダート馬」だと私は見ています。それこそ、カネヒキリとかフラムドパシオン級の。なので、この挑戦には大きな敬意と尊敬は払いながらも、バッサリ消します。本命にしないのに押さえる馬じゃないでしょうし。


ブラックシェル
 この春の東京開催の芝2000m以上の成績を見てみると、サンデー系はもちろんですが、グレイソブリン系がかなり頑張っていて、この馬は母父ウイニングチケットがグレイソブリン系。さらにトウショウボーイマルゼンスキーという名前もある母系を見ると食指が伸びないことはないんですが、どうしても父クロフネに牡馬クラシックを制することが出来るだけのスケールを感じないんですよね。すっかりマイラー寄りのレースとなったオークスとは違って、(去年のどスローな流れだったのを除けば)やはり「血統の字面」だけでも2400m走れるね、というインパクトが欲しいのがダービー。こと非サンデー系に絞れば、それが余計に求められる印象ですし、前走の走りを見るとやっぱりこの馬はマイラーだと思うんですよ。また、冒頭の話に戻ると、サンデー系、グレイソブリン系が猛威を振るう反面、父ノーザンダンサー系は1頭だけ(ロックオブジブラルタル産駒)しか来ていませんし。武豊Jがオークスマイネレーツェルと同じ競馬をしても、頑張って掲示板までと見てます。


タケミカヅチ
 3歳のこの時点で4つの異なる競馬場(新潟、中山、東京、京都)で連対実績があり、デビュー2戦目からずっと重賞を使われているのに掲示板外が初挑戦だった新潟2歳Sしかないという安定感は、これだけ混戦模様となると非常に強い武器になるでしょう。枠もいいところを引きましたし、共同記者会見のヨシトミ先生からは、妙な自信と言うかやる気も感じられました。ただ、4代目までにナスルーラ系を持っておらず、父ゴールドアリュール×母父マルゼンスキーではちょっとパワーにより過ぎている印象も受けます。去年やディープの時のような高速馬場にはならないでしょうからそれが致命傷にはなりえませんが、ドンピシャリでもないため、押さえが妥当かと。


アグネススターチ
 いやぁ、バブルガムフェロー産駒がクラシック、しかもダービー出走ですか。まあ、血統、走り共にレベルはともかくサクセスブロッケン同様明らかなダート馬でしょうし、プリンシパルSも強烈に渋った馬場が味方しての逃げ残りなので評価はしづらいところですが、もう「逃げてどこまで」という競馬しかしようがないでしょうから、どういうペースを作って逃げるのかは大いに注目ですね。


モンテクリスエス
 着順だけ見れば非常に安定感のある馬で、いわゆる「相手なりの馬か?」という見方をすればここでもちょっと来ちゃう可能性が無いとは言いませんが、2走前の勝利は未勝利レベルでしたし、前走も中団から追って伸びずという競馬。また、ムチを入れるとあからさまにヨレる馬で、G1レベルでは今一つ力が足りないと見ます。


スマイルジャック
 父タニノギムレット×母父サンデーサイレンスで、グレイソブリン系もありリボー系もある血統表はこの舞台ではじけても何ら不思議のないもの。タケミカヅチ同様「安定感」を売りにここまで歩を進めた1頭で、タケミカヅチと同等の評価をしたいところではありますが、これまでの戦績や前走の直線での止まり方を見ると、2400mで最後まで伸びるという画が、私の頭の中には浮かんできません。


アドマイヤコマンド
 (青葉賞のレベル自体に疑問符が付く点は否めませんが)キャリアわずか3戦で重賞制覇。まだ底を見せているわけではないですし、父アグネスタキオン×母父カーネギー(欧州血統)はダービー向きの配合ですし、合わせて4代目までにナスルーラ系も持つ血統表はいいバランスなのかなぁと思います。小さくケチをつけるならば、カーネギーの血を持つ青葉賞好走馬はカーネギーダイアンが1→7着、ホウキパウェーブが2→9着と凡走している点、かつ母父カーネギー×母母父プライベートアカウントはあまりにもパワー寄りで、上がりの勝負になると…という点がありますが、昨日の雨でパンパンの良馬場にならないのはプラス材料。かの一件で自分の中では「もうこの馬主にダービーという栄誉は取って欲しくない!」という超感情論が正確な評価の妨げになっていますが(苦笑)、4番人気にとどまっている面も考慮すれば、素直に高評価したい1頭。


マイネルチャールズ
 結論から言えば、「皐月賞を全力で取りに行って取れなかった」流れをここで覆すことは出来ないでしょう。それは2点が理由。まず1点目は上がりの脚の速さに欠ける点。クラスが上がっていくにつれ、先行するにせよ差しに回るにせよ35秒台の脚しか使えず、これがまだ常に34秒台半ばであれば話は別ですが、この程度の上がりを「安定感がある」と評価するのは、少なくともダービーでは間違いじゃないかなぁと。そして2点目が父ブライアンズタイム×母父ザビール(サーゲイロードの流れ)×母母父ミルリーフという重すぎる血統構成。この構成では、ダービーを好走するために最低限必要な瞬発力に欠けると言わざるを得ないですね。「皐月賞で好走したブライアンズタイム産駒は大きく着順を下げにくい(ex:ナリタブライアンサニーブライアンタニノギムレット)」点は考えなければいけませんが、頑張ってギリギリ押さえる程度ですかね。


レインボーペガサス
 最も取捨の悩む1頭。きさらぎ賞皐月賞で見せた上がりの脚の速さは魅力ですし、特に皐月賞は終始窮屈な競馬で脚を余した感じの敗戦なので、巻き返しは大いに可能なはず。また、父アグネスタキオン×母父デインヒルで父母父、母母父がナスルーラ系でリボーの血も持つ血統構成のバランスの良さは目を引くものです。ただ、だからといって2400mにガチッと嵌るかといわれると唸ってしまう部分がありますし、折り合いに難しい面もありますし、芝で好走した2戦を見ると、ちょっと瞬発力により過ぎている、パワー不足かなぁという印象は否めません。これを書いている今この瞬間もまだ、どう扱うか全く決まらない感じです(苦笑)


レッツゴーキリシマ
 父メジロライアン×母父バイアモンで、さらにボールドラッドバックパサーセントサイモン系がそこかしこにちりばめられている異系の血統。34秒5を切ったことが無いという上がりの脚の遅さもうなづける血統構成なわけで、いくらなんでもこの舞台ではついて行けないんじゃないか…とは思いつつも、(きっと飛ばして逃げるであろう)アグネススターチ以外の17頭が落ち着いた流れになり、かつその馬群を引っ張るであろうこの馬自身が残り4ハロンから加速してスタミナが問われるような流れ持ち込めれば、去年のサンツェッペリンぐらいの走りがあって不思議ないんじゃないか?という思いが頭から離れません。それでいて、去年のウオッカアドマイヤオーラほどの確かな差し脚を持った馬が少ないこのメンバー構成を考えれば、押さえておいて損は無いのかなぁと思ったりしてます。…さすがに無茶狙いか?


サブジェクト
 フジキセキ産駒の目下の勢いを馬鹿にすることは出来ませんが、母父ディキシーランドバンドではパワーはあれどちょっとスタミナの裏付けに欠けるのかなぁと。戦績を見てもかなり力のいる馬場(札幌とか阪神の道悪)に好成績が集中していて、瞬発力にも欠ける感じ。さすがにここ3戦の大敗から巻き返すのは難しいと見ます。


ベンチャーナイン
 父エイシンサンディ(サンデー系)×母父コマンダーインチーフ(欧州血統)で4代目までにナスルーラ系(しかもグレイソブリン系)を持っている、かつヘイルトゥリーズンノーザンダンサー、レイズアネイティブとスピードタイプの異なる3系統のクロスがあり、リボーまで持っているという血統構成は、父エイシンサンディのスケール感という問題を除けばメンバー中最もダービー向きと言っていいかもしれません。その字面どおり、比較的どのような流れでも安定して速い上がりの脚を使えるのは武器ですし、そもそもの能力がやっぱり足りなかったためにどこにもいない可能性のほうが高いとは思いつつも、上がりがそこそこ掛かるような展開になれば非常に魅力を感じる1頭です。


エーシンフォワード
 父フォレストワイルドキャット×母父キュアザブルースという血統の字面を見ても、これまでの戦績を見てもマイラーでしょう。「繋ぎが柔らかく胴長の体型の体型」(西園師)で母母父ブラッシンググルーム系の血が沸々と沸いてくれば、という見方が出来なくもないですが、ここまでは手が回りません、さすがに。


フローテーション
 戦績を見ているとさすがに強調材料に欠きますし、4代目までにナスルーラ系が無いのは大きく気になりますが、父スペシャルウィーク×母父リアルシャダイはいかにも距離伸びてプラスという配合。負けるときは本当に何にもしないで負けるのに、好走時は本当にうまいこと走っているためにどちらがが本当の姿なのか分からない面はありますが、一つだけ言えるのは上がり勝負になると厳しいという面はうかがえるため、上がり勝負にはならない(と思う)今年のダービーではチャンスがあるのかなと。上手いこと内をつければ最高ですけどね。


メイショウクオリア
 前走京都新聞杯では本命にして期待通り好走してはくれましたが、見返してみれば見るほど、他の前哨戦と比べると低レベルだったといわざるを得ない内容。父マンハッタンカフェ×母父ラーイで母系がダート色の濃い血統構成ということを考えても、ここでは明らかに切れ味で見劣りますね。


ショウナンアルバ
 前走は気でも狂ったか!としか言いようのない下手な競馬をうっての大敗なのでノーカウントでいいとは思いますが、父ウォーエンブレム×母父グレートコモーション(ヌレイエフ系)×母母父ブリガディアジェラードという血統構成をみれば明らかにこの馬はマイラーでしょう。ダートのマイルという点で言えば、それこそサクセスブロッケンとかなりいい勝負すると思いますし。それでも最内枠に入って前に壁が作れる状況ならまだ考えたところではありますが、またしても8枠。サクセスブロッケンに来られたら「全力でこめんなさい」しかないんですが、この馬に来られたら、もうそれこそ「頭と床の摩擦で穴が開くくらいの勢いで土下座しますよ!」と言っていいくらい、ここはバッサリ消し。


クリスタルウイング
 兄弟についてはもう言わずもがなでしょう。母父ヌレイエフ(「フレイエフ系」ではないですよ、ヌレイエフ自身です)は父の特徴を上手く引き出す傾向があって、その点ではサンデー系でグレイソブリン系もあり、自身がダービー馬であるアドマイヤベガとの組み合わせはかなりいいと思いますね。アドマイヤベガらしい切れ味も見せながら、ノーザンダンサーの4×3で持続力も補完している印象を受けていて、まだ完成するのは先の話でしょうし、大外枠はかなり厳しい条件と言わざるを得ませんが、乗り方一つで上位争いを演じることは十分に可能だと見ます。