続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

J1第7節 東京4−2川崎 私的雑感

メンバー
 GK 塩田
 DF 徳永、佐原、藤山、長友
 MF 浅利、梶山、今野、栗澤
 FW 赤嶺、カボレ
 交代 '84 カボレ→川口
 サブ 荻、茂庭、池上、金沢、平山


主要スタッツ
 得点(東)'25 カボレ(A:栗澤) '43 赤嶺(A:長友) '63 大竹 '70 今野(A:大竹)
     (川)'19 鄭 '26 谷口
 警告(東)'19 佐原
     (川)'31 谷口 '46 寺田 '48 森
 退場 共になし

 自宅観戦だったので、たいそうなことは書きませんし書けませんが短く。
 勝因は赤嶺の2点目が前半のうちに入ったことでしょうか。どちらかといえば押し気味に試合を進めていたにもかかわらず1−2で前半を折り返してしまうようだと、後半の入り方がちょっと難しくなるなぁと思っていた中での同点ゴール。決して綺麗なゴールではないし、クロスボールが風でブレーキがかかってチャンスボールになるというラッキーなゴールでしたが、あそこに最後まで集中を切らさず反応できる今の赤嶺のプレーぶりは素晴らしいし、今後も続けて欲しいですね。
そして、この試合一番のトピックスは何と言っても大竹のゴラッソ。試合後に大竹は、

初ゴールは、早く決めたいと思っていたので決められてよかった。狙い通り入るとは思ってなかった。とっさだったけど、イメージはどこかにあった。先ずは90分できるようにしたい。チームとしても、1試合、1試合よくなっていることを実感できたゲームだった。相手の左サイドを長友くんと一緒になってうまく突けた。同点の状況で入った方が僕は燃えるんです。もう1点僕が決めてやるぐらいの気持ちでプレーしていた。

 と非常に殊勝なコメントを残していますが、中でも「とっさだったけど、イメージはどこかにあった」という一言にセンスを感じます。サッカーは個々の瞬時の判断の積み重ねで構築されるスポーツであり、「この場面で自分は何をできるか」という選択肢を多く持っている選手、あるいはボールホルダーに良い判断を起こさせるような周りの選手の動きが多いチームが勝ちを多く拾っていけるスポーツだと私は思っています。であるが故に、あの場面でパスとドリブル以外にシュートという選択肢を持っていた大竹のセンスにはただただ脱帽するばかりですし、今後もそういう感性を磨きに磨いていってほしいと願うばかりです。この試合スカパーで実況された倉敷さんが「アルゼンチン人らしいメンタリティーの持ち主」と言っていましたが、確かに立ち居振る舞いやプレースタイルは、ロビーニョロナウジーニョというよりはアイマールサビオラ、あるいはメッシっぽいですよね。サッカーとは娯楽なんだ、エンターテインメントなんだと改めて思わせてくれる大竹のような選手が、他チームで言えば香川や柿谷(C大阪)、河野(ベルディ)、宇佐美(G大阪)のような選手がどんどん出てきてほしいですね。
 かたや「ボールホルダーに良い判断を起こさせるような周りの選手の動きが多いチームが勝ちを多く拾っていける」という側面、あるいは今季のスローガンである「Mooving Football」の熟成という側面から見たら、より価値が高かったのが4点目。およそ15m四方に関与する選手が全て集まる非常に狭い局地戦だったにもかかわらず、全員が同じイメージを描き、誰がどこにいるのかを把握し、全く無駄が無い人とボールの動きで川崎守備陣が全く何もできなかったあの崩し、今季最もラブリーなプレーでした。さらに言えば、最終的にゴールへ流し込んだのが2トップでもシャドーでもなく3列目の今野だったのもまた素晴らしいこと。いくら守備が堅固なチーム、選手でも、後ろからの飛び出し、しかもボランチの選手の飛び出しを常にケアしておくことはかなり難しいことで、今野や梶山には今後もこういう積極的な前線への絡みを期待したいところです。こういうプレーを1試合に何度できるか、その中で如何に高い決定率でゴールを決めるかが追い求める目標なのだと思うのですが、今季自分達がここまでやってきたことが間違っていなかった、そして自分達は今後もブレずにこういう方向性のサッカーを目指していくとを内外に改めて示すことが出来たのは、非常にプラスなことだと思いました。
 一方で改善しなければいけないのがセットプレーやDFラインの裏への縦パスに対する応対の仕方。その時々で競り負ける、あるいは裏を取られてしまうことは致し方ありません。けれど、そのセカンドボールに対する動きがこの試合では拙かった印象です。逆に言えば、課題ははっきりしているわけですから、この辺は城福監督以下スタッフがしっかり分析して修正してきてくれると思っています。
 第7節を終えて、何と順位は3位。私は今季が「降格しない程度の成績は残しつつ、チームを熟成させる」シーズンになると覚悟して入っただけに、何だか拍子抜けと言うか怖いぐらいに結果を残している印象を受けています。もちろん結果が自信に繋がる面はありますから、負けるより勝ち続けた方がいいに決まってますが、「良い部分悪い部分ハッキリ出た試合だった。良いところを伸ばしていって悪い部分修正していきたい」という今野のコメントの通り、結果云々ではなく一つひとつ向上していくことを忘れずにプレーしていってほしいと思います。